環椎後頭関節の歪みによる影響

環椎後頭関節

環椎後頭関節の歪みは、頭蓋骨(後頭骨)とC1(アトラス)との関節のズレです。

C1(アトラス)は図1中央のように椎孔と呼ばれる穴が開いており、中を脊髄神経が通ります。

この椎孔は、C1だけではなく、全ての背骨にあります。

図1:左:頭蓋骨 中央:C1 右:C2

後頭骨も図2のように穴が開いており、大後頭孔といいます。

後頭骨
図2 黄色の部分:後頭骨

図3のように後頭骨(頭蓋骨)の下に順にC1、C2と並びます。

環椎後頭関節
図3 環椎後頭関節

背骨は、図4のように頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙骨1個が連なり、脳が収まっている頭蓋骨に連結しています。

図4:背骨

環椎後頭関節の歪み

脊髄神経の通路は、脳から抹消へ向かう神経で、背骨の中を通ります。

脳から抹消へ向かう脊髄神経は、まず下図の後頭骨の穴(大後頭孔)を抜けます。

後頭骨

次に頸椎C1の椎孔を通り、C2、c3・・T1、T2の椎孔を通ります。

下図5は、後頭骨とC1を重ねた状態です。

後頭骨とc1
図5:後頭骨とC1アトラスの並び

この骨の並びがズレると脊髄神経が圧迫され始めます。

わかりやすいように、穴だけ記したものが図6です。

骨格に歪みがなければ後頭骨孔とC1、C2の椎孔は図6左のように中心が揃っています。

ですが、C1の骨の位置がズレると穴の中心もズレてしまい、脊髄神経が通る孔の面積が図6右(黄色)のように小さくなります。

脊柱管孔
図6大後頭孔 とC1の歪み

今回の説明では、後頭骨とC1の穴だけで説明しましたが、背骨には頸椎7個、胸椎12個、腰椎5個と仙骨があり、これらのズレが増えればそれだけ脊髄神経が通る孔は狭まります。

脊柱管狭窄

脊柱管狭窄とは、この穴が狭まった時の病名です。

一般的には、脊柱管が狭まる事で脊髄神経を圧迫し、脚の筋力低下、しびれ、尿漏れなどの症状が出ることがあります。

日本整形外科学会:脊柱管狭窄症について

また、脊柱管の中には脊髄液が満たされています。

この脊髄液は、耳や目の器官にある液体と通じているため、脊髄液の循環不良が起こるとめまいがでる恐れがあります。

詳しく、コチラで書いています。

神経の圧迫

背骨の歪みは、脊髄神経や抹消神経を圧迫する事がありますが、カイロプラクティックではC1(アトラス)がサブラクセーションを起こすと迷走神経、上頸神経節、舌下神経への圧迫の恐れがあると考えられています。

詳しくは、コチラ。(当院の別サイトです)

緊張型頭痛

緊張型頭痛とは、筋肉のコリによる頭痛です。

姿勢不良により、頸に付着する筋肉が酷使されるとその筋肉は疲労します。

そして、疲労してくると筋肉は硬くなります。

その筋肉の間を頭に向かう神経や血管を圧迫し、それが頭痛となります。

詳しくは、コチラに書いています。

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