ハンス・セリエの研究でわかったこと

ハンス・セリエの研究でわかったこと

ハンス・セリエは、オーストラリア生まれの医学者で、カナダの大学で「ストレス学説」を提唱した国際的に高い評価を受けた人物です。

ストレスは症状や病気に繋がることを提唱した学者です。

医学生時代の経験やネズミによる動物実験を元にストレス研究を勧めました。

この経験により一般適応症候群を説明するためにストレス(外部から刺激)を説明で使うようになりました。

セリエの論文:「各種の有害要因によって引き起こされる症候群」、1936年「ネイチャー」掲載。

医学部在学中での経験

セリエはドイツの大学で医学を学んでいた際に、多くの病気に共通して発症する症状があることに気づきました。

共通の症状とは、関節の痛みや発熱、胃腸障害や食欲不振などです。

一般適応症候群

セリエはネズミを利用して動物実験を行いました。

ネズミに有害な物質を注射することで、発症した3つの反応に気づき、これら3つの反応を一般適応症候群としました。

①副腎皮質の肥大。
②胸腺や脾臓の萎縮。
③胃と十二指腸の潰瘍と出血

これらの影響により、症状や病気が発症します。

①副腎皮質の肥大。

副腎皮質は、腎臓の上にある8グラム程度の副腎という臓器にある器官です。

副腎皮質の肥大は、糖質コルチコイド(ストレスホルモン)が分泌されることで生じたものです。

②胸腺や脾臓の萎縮。

胸腺は、心臓の上側にある10~40グラムの小さな臓器です。

脾臓は、 胃の左後ろにある長さ約10センチほどの臓器です。

胸腺や脾臓などの萎縮は、糖質コルチコイドの免疫抑制作用により生じています。

③胃と十二指腸の潰瘍と出血

胃と十二指腸は、食べ物を消化する器官です。

胃や十二指腸などの出血や潰瘍は、糖質コルチコイドの作用で胃を保護する粘液の分泌が低下して生じるものです。

一般適応症候群の進み方

ストレッサーが脳や体に悪影響を与えて発症する一般適応症候群は、以下の過程で進みます。

警告反応期→抵抗器→疲弊期。

警告反応期(ストレス状態の第1段階)

警告反応期は、ショック相と反ショック相に分けられています。

・ショック相

体はストレスによってショックを受けて、以下の反応がおこる。

体温や血圧、血糖値の低下、筋肉の緊張はない。

・反ショック相

ショックに対して体が抵抗し、適応し始めてショック相にみられる兆候が減っていく。

抵抗期(ストレス状態の第2段階)

ストレスが続いているにもかかわらずショックから立ち直り、ストレスに対して体の抵抗力が増して安定した状態が続きます。

これは抗ストレスホルモンである糖質コルチコイド分泌による作用です。

疲弊期

抵抗器で安定した状態がつづいている中、さらにストレスが加わると体は抵抗できなくなります。

それにより体温は下がり、胸腺や副腎皮質の働きも弱まり、体重も下がり、場合によっては、死に繋がることもあります。

このような体の反応は副腎皮質ホルモン分泌が低下し、適応能力が低下することで起こります。

ストレスが影響する病気

さまざまなストレッサーがありますが、それが痛みとなって表れる症状には、以下のものがあります。

・疼痛性障害
・転換性障害
・身体化障害
・うつ病
・慢性腰痛
・線維筋痛症
・機能性胃腸症
・過敏性腸症候群など

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