私たちの体の働きには、自分自身で痛みを和らげる機能があり、疼痛抑制機能と呼ばれています。
痛み止めと似た機能
人間の脳には、鎮痛薬のような機能があります。
この働きが強く働けば、ツライを思いをしなくてすみそうですが、健康維持には痛みは大切な感覚です。
痛みは、体の不調を知らせるサインです。
それをなくすと不調になっていても負荷をかけてしまい、悪化させてしまいます。
その鎮痛薬と似た役割をしているのが、脳の下降性疼痛抑制系というシステムです。
下降性疼痛抑制系とは
脳が痛みを感じた時に伝達物質としてセロトニン、ノルアドレナリンを分泌し、それが患部の神経に伝達して痛みを和らげる仕組みです。
つまり、セロトニンやノルアドレナリンがあまり分泌されない人は、この作用がうまく働かずに痛みを感じやすくなることがあります。
詳しくは、コチラ(外部サイト:大川整形外科)に画像つきでわかりやすく書かれています。
ノルアドレナリンの抑制
ノルアドレナリンの分泌が減少する要因としてストレス、うつ病などの精神疾患などが関係していると言われています。
減少すると意欲や集中力の低下、不安、睡眠障害などを引き起こす可能性があります。
ストレス
ストレスを感じるとそれに反応してノルアドレナリンの分泌は促進さます。
ノルアドレナリン自体には、痛みを抑える作用があり、よいことなのですが、過剰なストレスが続くと逆にノルアドレナリンの分泌が抑制されることがあります。
そうなると痛みを強く感じやすくなります。
このように逆に働いてしまう反応は、ストレス研究による実験において検証されています。
ハンスセリエのストレス研究(糖質コルチコイドの減少)による「一般適応症候群」による3期がそれにあたります。
うつ病などの精神疾患(参考:googleAI検索)
うつ病患者では、脳内のノルアドレナリン神経系の機能が低下が知られています。
ノルアドレナリンとは、コチラ。
ノルアドレナリンは脳幹の青斑核などで分泌されまています。
うつ病になると、青斑核のノルアドレナリン作動性ニューロンの数が減少したり、神経終末からのノルアドレナリンの放出が減弱したりすることが知られています。
ノルアドレナリンの作用の一つである疼痛抑制の機能が低下し、痛みを感じやすくなります。
睡眠不足(参考:googleAI検索)
睡眠不足は、自律神経のバランスを乱し交感神経系が過剰に活発になり、ノルアドレナリンの分泌が増えることがありますが、睡眠不足が長く続くと逆に低下することもあります。
※睡眠不足は、疲労抜きができづらくなり、ストレスが解消されずらく、蓄積しやすくなります。
睡眠不足による体への影響は、体調不良につながります。
セロトニンの抑制
セロトニンが減る主な原因は、ストレス、睡眠不足、不規則な生活、栄養不足、日光浴不足、運動不足などです。これらの原因により、セロトニンの合成や分泌が抑制され、不足がちになることがあります。
具体的な原因:
- ストレス:ストレスは自律神経を乱し、セロトニンの分泌を抑制します。人間関係や仕事、子育てなどの精神的ストレスが続くことで、セロトニン不足につながることがあります.
- 睡眠不足:睡眠不足はセロトニンの合成を阻害し、分泌を低下させます。不眠や睡眠の質が悪いと、セロトニン不足を招きやすいです.
- 不規則な生活:昼夜逆転や食生活の乱れもセロトニン不足の原因になります。特に、食事のタイミングや内容が不規則だと、セロトニンを合成するに必要な栄養素の摂取が不足しがちです.
- 栄養不足:トリプトファンやビタミンB6などの栄養素は、セロトニンの合成に必要なため、これらの栄養素が不足するとセロトニンが作られにくくなります.
- 日光浴不足:日光を浴びると、セロトニンの分泌を促進するホルモンが分泌されます。日照時間の短い季節や、日中に日光を浴びない生活をしていると、セロトニン不足になる可能性があります.
- 運動不足:運動はセロトニンの分泌を活発にするため、運動不足はセロトニン不足の原因になります。定期的な運動習慣を意識することが大切です.
- 歯の健康:歯が悪くなるとセロトニンの分泌が低下するという研究結果もあります