心理的な問題による痛みの増加
痛みが強くなる原因は、損傷部位の重症度だけが係わっているわけではありません。
また、痛みを強く感じやすくなっている体の状態を「痛みの閾値が低い」と表現があります。
その痛みの閾値が低くなる要因には、以下の状態にあると強く感じやすくなります。
病気、不眠、疲労の蓄積、精神疾患、孤独感や社会的地位の喪失。
その要因は、ストレスや疲労度と心の状態が大きく影響しています。
例:第二次世界大戦中の出来事
米国の麻酔科医のヘン リー・ビーチャー(1904 ~ 1976 年)によるプラセボ効果の研究。
第二次世界大戦でのイタ リアで、激戦地で重症を負って送り返されたにもかかわらず、ほとんど痛みを訴えなかった兵がいることを知った。
瀕死の重傷だが最前線で戦わなくてもよいという安心感、喜び、生きているという実感が痛みをおさえていたかもしれないと考え、プラセボの研究を発展させた。
※プラセボは、安い飴玉を高価な薬といって患者に与えると病気が治るというような思い込みによって病気や痛みが改善する効果のこと。
痛みの閾値
痛みの閾値とは、体に与える刺激を次第に強くしていき、「痛い」と感じる強さの事を言います。
この閾値が低い人は、痛みに対して敏感という表現になります。
簡単な言葉では「痛がり」があります。
そして、これは個人個人異なります。
痛みの閾値について、コチラで詳しく書いています。
精神的不安が痛みに繋がる理由
精神的な不安から、痛みが生じる理由に脳の機能低下があります。
脳の機能といっても、脳全体の機能低下ではなく、痛みを抑制する機能の低下で疼痛抑制機能と呼ばれています。
疼痛抑制機能は、コチラ。
治っているのに痛い。
脳の中にあるDLPFCの萎縮も関係することがわかっています。
DLPFCとは、脳の中にある背外側前頭前野と呼ばれる部分です。
このDLPFCの働きには、患部から伝わった脳の記憶を消す役割があります。
このDLPFCの機能低下が起こると、痛みの記憶を消すことができず、治っているのに痛みを感じるという事が起こってしまいます。
脳には、このような鎮痛薬のような機能がありますが、その働きが弱まる理由が、ストレスや不安感の長期化です。
つまり、脳が痛み止めを出さなくなるので、痛みを感じやすくなります。
不安症
不安症とは、精神的な不安から、心と体に様々な不快な変化が起きる病気の総称です。
病気には、以下のものがあります。
・パニック障害
・社会不安障害(社会恐怖)
・強迫性障害
・全般性不安障害
各病気の症状は、上記のリンク先で書いてありましたので、ここでは省きます。
病院の検査で異常なし。
痛みが辛く病院で検査してもらったのに、病院の先生から
「異常なし。」
と言われた。
「痛い!、なんで?」
というのは、このシステムの機能低下があるのかもしれません。
また、これは通院した病院の画像検査(MRI、X線)でわからかっただけかもしれません。
脳の機能は、凄い!と言われていますが、完璧ではありません。
体に侵入してきたものが毒でもないのに、それを毒と判断したり、過剰に反応するアレルギー反応はよくある病気です。
※整体では、病院では行わない矯正や徒手療法を行い、病院の見立ても違いますが、整体でもこのような機能低下が起こっているかどうかはわかりません。検査をお願いするのであれば、ペインクリニックの医師に相談するのがよいと思います。
〇治し方
・疲労を溜め込まない。
・負の感情をおこりにくくする事。
負の感情をおこりにくくするには、物事の捉え方を変える方法があります。
怒らないでお読みください。
パッと思いつくこととして、散歩中にウンコを踏んだら
「誰がここに糞を放置したんだ!」
と怒りMAXになりそうですが、「運」がついたかもしれません。
そう思うしかない。。。
宝くじを買いに行くことだけは、辞めた方がいいと思います。
もう少し品のよい例はと。
お腹いっぱいで食べる白米と1日絶食して食べる白米は、同じ白米でも満足感は異なります。
何かの出来事でおこる感情の違いは、同じ出来事でも捉え方で変わるものです。
年に数回、書いているきじポ~新聞ではこのような内容を主に書いています。
よろしければ、お読みください。
きじポ~新聞は、コチラ。
思い込み
思い込みという言い方だと、
「痛みがないのに痛がっている。」
という意味でとらわれそうですが、そういう意味ではありません。
過去にツライ痛みを経験したり、その話を聞いたことによって、痛みと関係する動作をする時に筋肉が無意識に働き痛みに繋がることがあります。
このような働きを防御性収縮と言います。
防御性収縮
防御性収縮とは、過去に強い痛みを経験し、その際の痛みが強くなった動作を怖がり、その動きを止めようと無意識で行ってしまう筋肉の反応(収縮)です。
この防御性収縮は、傷めた筋肉が働くような日常生活の動作に起こるようになり、それが解消されずに残ってしまうことがあります。
そして、この反応がある方は、反応が弱い人に比べて治りにくい傾向にあります。
その理由には、このような働きがあると痛みを訴えている患部の筋肉はさらに収縮したり、余分に疲労することにが原因です。
詳しくは、コチラで説明しています。