筋肉のコリと張りの違い

筋肉のコリと張りの違い。

一般的に「張り」と「コリ」というの言い表し方は、区別なく表現している場合があります。

また専門家でも意識していない人もいるかもしれません。

ですが、その違いを知っていて施術するのか、知らないで施術するのでは、施術方法は異なるために施術効果に影響がでます。

まず筋肉のコリは、筋肉の張りという表現の一つに含まれるので、コリの説明を先にします。

筋肉のコリとは

筋肉のコリとは、無意識で起こっている筋線維の慢性的な収縮です。

通常、筋線維が収縮すると筋線維が付着している骨を引っ張り、関節を動かします。

例えば、肘の関節を屈曲させるには、上腕二頭筋や上腕筋などの筋線維の収縮が必要で、意識する必要があります。

このような働きと筋肉のコリとの一番の違いは、無意識で筋収縮が起こっていてる点です。

これに加えて筋肉のコリは、以下の2つのパターンあります。

・筋収縮の程度は弱くても全体的に収縮しいている場合。
・筋肉の一部分だけ収縮している場合。

筋収縮の程度は弱く全体的な収縮

肩こり慢性化している人は、猫背が癖になっている人が多いです。

猫背姿勢は、自然と巻き肩にもなり、それが長期化すれば猫背だけではなく巻き肩も癖になります。

悪化している人は自身で意識して元に戻そうとしても戻らないこともあります。

下の施術写真では、お客様に姿勢を正すようにお願いしておりますが、施術前は姿勢が崩れたままです。

肩こり(前突猫背・前傾の改善)
緊張型頭痛(前傾姿勢の改善)整体
首から手のだるさ(整体Before&After)

巻き肩を作っている筋肉

巻き肩が癖づかせている筋肉は、前鋸筋、肩甲下筋、大胸筋、広背筋です。

これらの筋肉が収縮すると肩甲骨を前方に移動させ、上腕骨を内旋させます。

前鋸筋が、肩甲骨を前方に移動(前進)させ、肩甲下筋や大胸筋、広背筋は、上腕骨を内旋させます。

巻き肩が癖になり、これらの筋肉が慢性的に収縮してくると硬くなってコリとなっていきます。

よくある関節の屈曲部位

慢性的に筋肉が収縮して関節が屈曲傾向にある部位は、他にもあります。

以下の筋肉が収縮傾向にあるとそれぞれの関節をやや屈曲させてしまいます。

膝:ハムストリングスや腓腹筋など。

股関節:大腿直筋や腸腰筋など。

腰部の屈曲:腹筋や腰椎椎間板の変形。

頭部の前突(頚椎頭蓋関節の伸展):後頭下筋群や胸鎖乳突筋の収縮、頸椎椎間板の変形。

筋肉の一部分だけが収縮

トリガーポイントと似ていますが、トリガーポイントは放散痛が生じるコリのこといいます。

収縮している部位の範囲は、数センチ~米粒程度の大きさです。

日常生活ではその部位に痛みを感じなくても、押した時に痛みを発することがあります。

また、凝っていても圧痛が生じない場合もあります。

なぜ筋肉の一部分だけが凝る(収縮)のかは、はっきりしていません。

私が思うに、さきほどの全体的に凝っている筋肉が何かの動作で伸ばされたり、負荷がかかった際に軽く損傷し、その修復過程で瘢痕や筋膜の癒着が生じているのかもしれません。

筋肉の張りとは

筋肉に張りを感じさせる要因は3つあり、特に①と②の影響が張りを強く感じさせます。

これらが複合して筋肉の張りを生じさせます。

①筋収縮による膨張。
②間質液による腫脹。
③筋肉の伸張による張り。拮抗筋は伸張する。

と血管から染み出したがあります。している

筋収縮による膨張

筋収縮による膨張は、先ほど説明した筋肉のコリによるものです。

筋肉が収縮すると筋肉は太くなります。

ボディービルダーが肘を曲げて腕の筋肉の太さをアピールしますが、それと同じです。

このように筋肉に力を入れた状態でその部分に触れると、硬くなって張りがあるのがわかります。

ただ、違いは無意識に筋肉が収縮し、それが力を抜いても解放されないことです。

間質液による腫脹。

間質液によって張りを感じる場合、体質的なむくみによる張りなのか、怪我や損傷で生じる炎症が原因の張りなのかで、施術方法はだいぶ異なります。

間質液は、血液の成分の一つである血漿が血管から染み出したものです。

それが増えるとむくみと言われます。

むくみについては、コチラで詳しく書いています。

筋肉の伸張による張り

筋肉は伸長すると張りが生じます。

例えば、立位での前屈で膝を伸ばして行なうと、脚の裏にあるハムストリングスや腓腹筋は伸長されるので張りが生じます。

自然体の姿勢では、ここまでの張りは生じることはありません。

ですが、筋肉のコリが生じている場合、そのコリが生じている筋肉と逆の働きをする筋肉は伸長されてしまいます。

例えば膝関節が屈曲傾向であれば、膝を屈曲させる主導筋であるハムストリングスは収縮していますが、その拮抗筋である大腿四頭筋は伸長されています。

このような体質のお持ちの人が立位の姿勢であると、大腿四頭筋への負荷が大きくなります。

そして四頭筋の疲労が強いとその筋肉は全体的にコリや張りが生じます。

また、四頭筋の一つである大腿直筋が慢性的に収縮すれば、骨盤の前傾が強くなり、骨盤は開きやすくなります。

骨盤の前傾が強いとS型猫背になりやすく、肩こりなどが生じやすくなります。


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